2018 全日本空道体力別選手権/全日本空道シニア選抜選手権大会 リポート
文 全日本空道連盟広報部
写真 牧野壮樹・朝岡秀樹
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[総評]
今大会の結果をもって、いよいよ秋の世界選手権の日本代表(代表確定選手+候補選手)が決まる。昨年の全日本、アジア選手権と今大会の成績をポイント化、その合計得点の多寡によってメンバーが確定するが、その得点の計算は、古い時期の大会(つまり昨年の全日本)の結果には低いポイントを、直近の大会(つまり今大会)の結果には高いポイントを与える傾斜配点のもとに行われる。それだけに今大会は、逆転のビッグポイントを懸けた熾烈な闘いに。昨年の全日本、アジア選手権で優勝を果たした各階級のエース的選手が次々と敗れ、これまで決勝に進出したことのなかった選手が続々と決勝進出・優勝を果たす波乱の結果となった。
[試合ダイジェスト]
■男子-230
目黒雄太(大道塾長岡支部)は、初戦で柏幸樹(大道塾長久手手支部)に右ミドルをキャッチされ、右ストレートを浴びて効果1を先取されるなど、相変わらず、序盤戦はヒヤヒヤの勝利。2回戦、18歳ながら臆さない星優斗(大道塾仙南支部)に押され気味の展開の中、絞めで一本を奪う。その後は調子を上げ、準決勝ではベテラン・末廣智明(大道塾吉祥寺支部)との技術戦を制し、決勝は、19歳の菊地逸斗(大道塾横浜北支部)を怒涛の攻めで完封し、延長に持ち込ませなかった(全日本決勝では効果ポイント2以上がないかぎり、自動的に延長を行う)。これでV4。尻上がりに調子を上げていくのもよいが、世界選手権の序盤戦で思わぬ伏兵に足元を掬われないか、そのスロースターターぶりには不安は残る。関係者には高齢者も増えてきたので、その心臓に負担を掛けない、盤石の戦術を身につけて欲しいところだ。
決勝。目黒(青)の右ハイキックと、菊地の三日月蹴り。蹴りの精度では、互角だった。
決勝。豪快に投げ、キメの突きを入れる目黒。ニーインからのキメ突きと右ハイで、それぞれ効果ポイントを得た。
決勝。胴回転回し蹴りを放ち、それが外れるや、下からの攻撃で菊地を転倒させ、ジャンプしての攻撃……と、アクロバティックな連繋で場内をどよめかせた目黒。筋斗雲にでも乗ってそうな存在だ。
決勝。闘いが終わり、天を仰ぐ菊地。19歳ながらキャリアは12年になる。
準決勝、両者ともに効果以上のポイントはなかったものの、目黒(青)の蹴りが末廣を脅かす場面が多く、本戦で旗判定5‐0。
準決勝、菊地(白)vs中村知大(大道塾御茶ノ水支部)。本戦、中村得意の投げ→寝技の展開をつくらせず、打撃戦で攻勢を感じさせた菊地に3本の旗が挙がるも、副審・副主審が延長を支持。延長でも双方に効果以上のポイントはなかったが、旗判定5‐0で菊地に凱歌があがった。前回世界選手権、唯一人の日本人王者、半年前には-240クラスでアジアを制したばかりの中村が、一般クラスで入賞歴のない19歳に敗れた。
2回戦、目黒(白)vs星。襟絞めで目黒が一本勝ちしたが、星の闘いぶりにも将来性を感じた。
2回戦、末廣(白)vs小野葉嗣(大道塾塩釜支部)。本戦、白に3本旗が挙がるも延長へ。延長で19歳の小野が左ハイで効果ポイントを先取、末廣がニーインベリーからのキメ突きで効果を奪い返し、さらに末廣がニーインベリーからのキメ突きで2つめの効果をゲット。プロのキックボクサーとしても活躍する末廣だが、空道家ならではの技術で勝利を決定づけた
2回戦、中村(青)vs近田充(大道塾多賀城支部)。流れる水のような柔らかな動きで近田のバックを取った中村が、グラウンドへ引きずり込んで、アキレス腱固めでタップを奪った。
2回戦。菊地(青)vs野崎允裕。上段膝蹴りで有効1つ、上段膝蹴りと、投げてのキメ突きでそれぞれ効果1つ、計4ポイントを奪い、菊地が圧勝。
1回戦。目黒(青)vs柏。効果ポイントを先行された目黒は、グラウンドでの下からの回し蹴りで柏をダウンさせ、有効を奪い返した。
1回戦 小野(青)vs羽島俊洋(大道塾関西宗支部)。左ハイキックで小野が一本勝ち。
1回戦 末廣(青)vsソムチャ・ヌアナー。大道塾札幌西支部でムエタイのインストラクターを務めるヌアナーを、首相撲からの膝で攻めた末廣。本戦旗判定4‐0で勝利。
1回戦 中村(白)vs阿部宏信(大道塾石巻支部)。中村が十字絞めで一本勝ち。
1回戦 近田(白)vs上野正(大道塾総本部)。延長、出場最年長55歳、鉄人・上野正からパンチ連打で効果3つを奪い、近田が勝利。
1回戦 菊地(青)vs小芝裕也(大道塾関西宗支部)。本戦、全日本無差別ベスト8の実績をもつ小芝の右ミドルに対し、菊地はキャッチから右ストレートを一閃。効果を奪った。主審・副主審の判断により延長にもつれ込むも、小芝はポイントを奪い返せず。
■男子-240
2015全日本無差別ベスト8の国枝厚志(大道塾秋田支部)、2015年のこのクラスの全日本優勝者・川下義人(大道塾日進支部)、昨年のアジア選手権のこのクラスの準優勝者・巻礼史(大道塾筑紫野支部)が、いずれも、準決勝にすら進出できない大混戦。ベスト4に進出したのは神代雄太(大道塾御茶ノ水支部)、金光洙(大道塾札幌西支部)、服部晶洸(大道塾横浜北支部)、曽山僚太(大道塾岸和田支部)。この他に、今回は怪我により欠場した2015年のこのクラスの全日本優勝者・田中洋輔(大道塾御茶ノ水支部)もいる。2連覇を達成した神代雄太を除けば、世界選手権日本代表に誰が選出されるかは、今後の強化練習や査定試合が終わるまで、まったく分からない状況となった。
決勝。神代(白)vs服部。本戦、延長とも、両者にポイントはなく、延長旗判定では白に3本旗が挙がるが主審、副主審は再延長を支持。再延長でもポイントはなく、旗判定5‐0で神代が勝利を得た。両者は過去、直接対決において互いに2勝2敗。今回の対戦で神代が勝ち越したかたちだが、服部が全日本決勝に進出したのは初めて。大きな自信を得たはずだ。
準決勝、服部(白)vs金。本戦で服部が腕十字を極め一本勝ち。
準決勝、神代(青)vs曽山。世界ジュニア優勝&全日本ジュニア3連覇の実績によって大学のAO入試に合格したことで話題を呼んだ曽山が得意のハイキックで攻め立てるも、神代は動じず。顔面への膝蹴りをヒットさせるなどして、本戦旗判定で5-0で勝利。
グループリーグ戦、金(白)vs寺口法秀(大道塾横浜北支部)。本戦で一つ、延長でも一つ、金がニーインベリーからのキメ突きで効果を奪い、勝利。
グループリーグ戦、金(白)vs国枝。国枝が本戦旗判定5‐0勝利。この金、国枝、寺口による3人のリーグ戦、寺口が国枝を延長旗判定4‐1で下したことで三者が1勝1敗で並んだが、唯一人、効果ポイントを得ていた金が、準決勝進出となった。
グループリーグ戦、服部(白)vs川下。本戦は川下に旗2本、服部に旗1本が挙がり、主審・副審が引き分けを支持。延長で、場外逃避により川下に反則1が与えられたため、自動的に服部の勝利に。本戦では旗数で上回る展開をしていただけに、川下にとっては、延長での反則は、痛恨のミスだったか。
グループリーグ戦、神代(青)vs越後暢介(大道塾仙台東支部)。ヒジ打ちで効果ポイントを奪った神代が、本戦旗判定5‐0勝利。
グループリーグ戦、曽山(白)vs巻。巻が写真の豪快な投げから腕十字、巴投げからのキメ突きと、組んでの展開では一本や効果をぎりぎり逃す攻勢をみせたが、本戦終了間際に、曽山が左ハイキックで効果1を奪取。本戦旗判定で、3本、白い旗が挙がり、副主審は引き分けを支持したが、主審は白の勝利を宣告した。
グループリーグ戦、曽山(白)vs島崎健一郎。左ハイで曽山が有効1を奪い、本戦勝利。
■男子-250
この階級も、昨年のアジア選手権のこの階級の優勝者・山崎順也(大道塾総本部)や昨年の全日本選手権のこの階級の優勝者・加藤智亮(誠真会館)が決勝に進出出来ない混戦に。決勝では、20歳の安富北斗(大道塾札幌南支部)が本戦で、投げからのキメ突きで効果1を奪うなど勢いをみせ、藤田隆(大道塾秋田支部)の腹や太腿にかなりのダメージを残したようにみえたが、延長開始直後、右クロスで効果1を奪い返した藤田が、その後もニーインベリーからのキメ突きで効果ポイントを追加し、逆転勝利。大会終了後、東孝・全日本空道連盟理事長は「若手の活躍は目を見張るものがあったが、まだまだ技が軽く、粘り強さがない。いくら技が巧かろうと、キレがあろうと、今のままでは、海外の選手と闘ったら、勢いに押仕切られてしまう」と語ったが、安富の試合ぶりは、その指摘にあてはまるものであっただろう。逆に粗削りで粘り強い藤田のスタイルには〝むしろこのスタイルの方がロシア勢のパワーに競り負けないのかもしれない〟〝昭和世代がジュニアクラス出身者の美しく淡泊な試合展開に対抗するにはコレ!〟といったことを感じた。なお、獲得ポイントから考えて、加藤の世界選手権出場は確定的となったが、大道塾外の日本人選手が世界選手権日本代表に選出されるのは初めて。国内空道の普及のためには大きな一歩といえるだろう。
決勝。藤田(白)vs安富。2015年全日本選手権でこの階級の決勝を加藤智亮と争った際も、ポイントを取ったり取られたりのシーソーゲームを演じた(その際は敗戦)藤田は、ドラマメーカーともいえるが、今後は穴のなさも身につけて欲しいところだ。
準決勝。安富(白)vs飯田。リーチの差を詰めるべく、タックルで間合いを潰そうとする飯田だが、安富は冷静に切る。本戦旗判定4‐0で安富の勝利。
準決勝。藤田(白)vs加藤。これまでの藤田は右の直突き(ストレート)一本槍のところがあったが、今大会では、相手の左に被せるクロスの打ち方も効果的に用いていた。このクロスで効果1を奪取。本戦で白旗が3本挙がり、副主審は引き分けを支持するが、主審は藤田の勝利を宣告した。
グループリーグ戦。山崎(青)vs飯田諭(大道塾大宮西支部)。払腰で豪快に投げ捨てた山崎だが、ポイントに繋げず。パンチ連打で突進する飯田に効果1を奪われ、本戦旗判定5‐0でまさかの敗戦
グループリーグ戦。山崎(青)vs金日柱(誠真会館)。頭突きで攻める山崎。パンチ連打で効果1を奪い、本戦旗判定5‐0勝利。だが、飯田も金に勝ったので、準決に進めず姿を消すこととなった。
グループリーグ戦。安富(青)vs山本英貴(大道塾川崎支部)。安富が投げからのキメ突きで効果1を奪い、本戦判定5‐0勝利。
グループリーグ戦。安富(青)vs佐原。安富は、ニーインベリーからのキメ突き、左ハイ等で5つの効果、膝蹴りで1つの有効、計7ポイントを奪う圧勝。
グループリーグ戦。加藤(青)vs伊東駿(大道塾仙台東支部)。首相撲から膝の崩しで投げる加藤。本戦旗判定5‐0。
グループリーグ戦。野田洋正(青・大道塾横浜北支部)vs伊東。マウントパンチで効果1を奪った伊東が本戦旗判定5‐0勝利。
グループリーグ戦。藤田(青)vs渡邊憲正(大道塾早稲田大学準支部)。膝蹴りで効果1を奪った藤田が本戦旗判定5‐0勝利。
グループリーグ戦。藤田(青)vs望月將喜(大道塾総本部)。足払→ニーインベリーからのキメ突き→腕十字と連繫し、藤田が一本勝ち。
■男子-260
2014・2016年のこの階級の全日本優勝者・加藤和徳(大道塾吉祥寺支部)、その加藤に一本勝ちしたこともある寝技師・渡部秀一(大道塾岸和田支部)、2015・2016年全日本選手権無差別ベスト4の押木英慶(大道塾新潟支部)らが決勝に進めず。昨年のこの階級の準優勝者・伊藤新太(大道塾日進支部)と2014世界選手権-270クラスベスト4の辻野浩平(大道塾岸和田支部)が全日本初優勝を競った。世界選手権、この階級には、今大会欠場した清水亮汰(大道塾総本部)が出場することがポイント的に確定的。日本代表、残る3つの椅子に、上記5名のうち、果たして誰が座るのか? 厳しい闘いは続く。
決勝、伊藤(白)vs辻野。首相撲からの膝でイニシアチブを握り、そこからの捻り倒し、ニーインベリーからのキメ突き…と波状攻撃を掛ける伊藤に対し、辻野は得意の右ストレートで圧力を掛ける。本戦、右クロスで効果1を奪った伊藤が、自動延長の末、反り投げ気味に相手を舞わしてからの腕十字で一本勝ちを奪った。
準決勝、加藤(青)vs辻野。本戦終了間際、ニーインベリーからのキメ突きで辻野が効果1を奪い、本戦旗判定5‐0で勝利。しかし、このニーインベリーの際、加藤は辻野の胴に脚を絡ませているようにもみえた。
準決勝、伊藤(白)vs押木。伊藤がカウンターの右ストレートで効果1を奪い、本戦旗判定5‐0で勝利。
グループリーグ戦。加藤(青)vs渡部。両者ポイントなく、左右のパンチ、縦ヒジなどをヒットさせていた加藤が本戦旗判定5‐0で勝利。寝技師の渡部は寝技で一本を取れなかった場合、旗判定で敗れる率が高い。寝技で極め切れなかった場合でも立ち技で競り勝てるようにならねば、今後もトーナメントの頂点に立つことは難しいだろう。
グループリーグ戦。辻野vs麦谷亮介(青・大道塾行徳支部)。パンチ連打で効果を奪った辻野が本戦旗判定5‐0勝利。
グループリーグ戦。押木(青)vs斎藤諒太(大道塾横須賀支部)。両者ポイントなく、本戦旗判定4‐0で押木の勝利。
グループリーグ戦。伊藤(青)vs江刺家奨(大道塾新宿支部)。江刺家の投げに対し、グラウンドでのスイープからニーインベリー→キメ突きで効果1を奪い、伊藤が本戦5‐0勝利。
グループリーグ戦。伊藤(青)vs鈴木照幸(大道塾横浜北支部)。バックマウント→パンチ、立ち技での連続打撃で、それぞれ効果を奪った伊藤が本戦勝利。
■男子260+
昨年の全日本のこの階級の優勝者・岩崎大河(大道塾総本部)と、2015・2016年の全日本のこの階級の野村幸汰(大道塾札幌西支部)が、他を寄せつけず。過去、直接対決で1勝1敗(不戦勝敗を除く)である両者が決勝を争い、両者ノーポイントのまま延長旗判定5‐0で岩﨑が勝ち越しを決めたが…
・野村がニーインベリーからのキメ突きで効果ポイントを奪い、その後、足が絡んでいたとの副審からの指摘により、効果が取り消しになったが、その際の岩﨑の足の絡み方は、野村の足を両足の間に挟み込むかたちのものではなかった。このフックの仕方がなされている場合、ニーインベリーが成立していないとみなすのが妥当なのか? 今後、共通の基準でポイントが与えられるよう、ルール委員会・審判団で、認識統一の確認をしてほしい。
・立ち技の展開において、岩﨑は場外際で闘うことが多く、結果、野村が組んだ後は場外に岩﨑が出て「待て」が掛かることが多かった。近年のルール改正で、組み技の展開でも自らが場外に出て「待て」を誘発する行為は反則となった(以前は離れての打撃戦の状況でのみ、場外逃避の反則が取られ、組んだ状態で場外に出ても反則とはされなかった)はずだが、反則の笛を吹く審判はおらず。何度か野村は「反則ではないか?」という表情をみせていたが、今回の審判の判断は基準に沿ったものだったのか?
・岩﨑は相当数の打撃をクリーンヒットしたが、それでも野村から、効果さえ奪うことができなかった。海外勢を制するには、ただ当てるのみならず、効かせられるだけの攻撃力を身につけてほしい。
・一方、野村には打撃技術の成長があまり感じられなかった。半年前のアジア選手権-270クラスで旧ソ連圏の選手に惨敗した岩﨑が復活したことは嬉しいことだが、見方を変えれば、‐270クラスで旧ソ連圏の選手に勝てなかった岩﨑に勝てない野村(半年前のアジア選手権では+270クラスで旧ソ連圏の選手と対戦せず優勝)が+270クラスでロシアの選手に勝つのは厳しいと考えられるのでは?
・国内大会で+260クラスに出場している選手が、世界選手権では-270クラスと+270クラスに分かれて出場することになるが、岩﨑、野村以外に、日の丸のワッペンを胸に貼るに見合う選手がいるだろうか? 本来であれば、日本の出場枠は、-270クラス2名、+270クラス2名だが、定員いっぱいまで埋めずに、岩﨑、野村のみの派遣でもよいのではないだろうか?
…といったことを思った。
決勝、岩﨑(青)vs野村。打撃では岩﨑が優勢、組み技では野村が優勢。
決勝、岩﨑(白)vs野村。野村のニーインベリーからのキメ突きにいったん、効果が宣告され、その後、取り消しとなったシーン。この足の絡み方はニーインベリーを阻んでいるとみなすべきなのか?
グループリーグ戦、岩﨑(青)vs山田晋也(大道塾京都支部)。右ローで効果を2つ、パンチ連打で効果を1つ、ヒジと膝の連打で有効を1つ奪った岩﨑が本戦で勝利。
グループリーグ戦、岩﨑(青)vsアハマド諒ハリス(大道塾四日市支部)。本戦で、岩﨑が右ハイキックで一本を奪う。
1回戦、野村(青)vs五十嵐健史(大道塾高尾支部)。顔面への膝蹴りで効果1を奪った野村が本戦旗判定5‐0で勝利。
1回戦、目黒毅(白・大道塾多賀城支部)vs松岡陽太(大道塾総本部)。本戦で、右ローで有効2つ、効果4つを奪った目黒が、累積8ポイントにより一本勝ち。なお、目黒はこの試合に勝った後、負傷により棄権したため、準決勝は野村の不戦勝となった。
■女子-215
ジュニアクラスで活躍しながら、一般部昇格後は全日本クラスの大会では入賞歴のなかった小柳茉生(大道塾新潟支部)が、2017年アジア選手権‐220クラス優勝の作田千代美(大道塾草加支部)、2016年のこのクラスの優勝者・渡邊富紀恵(大道塾神戸支部)を下して優勝。ちなみに、昨年は出産、育児のために戦線から離れていた渡邊は、今大会、試合の合い間には、観客席で子どもをあやしていた。母親モードと選手モード、頻繁に切り替えながらの奮闘は、社会体育の鑑。頭が下がる。空道界にママさん全日本チャンピオンが生まれる日も、遠くはないのだろう。今大会、男子では18歳から55歳までが出場していたことと併せて、空道の競技としての幅の広さを感じた。
リーグ戦。作田(青)vs渡邊。右ストレートで効果を奪った作田が本戦旗判定5‐0勝利。
リーグ戦。小柳(白)vs作田。両者ポイントなく、延長旗判定5‐0で小柳の勝利。
リーグ戦。渡邊(白)vs小柳。左ハイキックで効果を奪った小柳が本戦旗判定5‐0勝利。
■女子215+
世界選手権日本代表の権利を手中に収めている大谷美結(大道塾札幌西支部)が欠場している今大会、ここ数年、常に大谷と決勝を争ってきた今野杏夏(大道塾多賀城支部)の独走となった。
決勝戦。今野(青)vs内藤雅子(大道塾横浜北支部)。打撃では今野の技術が明確に上回っていたが、柔道出身の内藤も内股で投げ捨てるなど、見せ場をつくる。双方ともポイントなく、自動延長の末、旗判定4‐1で今野が勝利。
リーグ戦。今野(青)vs戸田佳奈子(大道塾登米支部)。両者ポイントなく旗判定5‐0で今野が勝利。
リーグ戦。内藤(白)vsチツァレフ・タチアナ(大道塾早稲田大学準支部)。本戦で内藤が足を掛けての片手絞めで一本勝ち。
■2018全日本空道シニア選抜選手権大会 決勝ダイジェスト
軽軽量級。桐田淳利(白・大道塾仙南支部)がニーインベリーからのキメ突きで効果1を奪い、佐藤嘉紘に、本戦旗判定5‐0勝利。※軽量級、軽中量級は決勝無し。
中量級。平田祐二(白・大道塾浦和支部)が延長旗判定4‐1で吉永直樹(大道塾隆夫支部)に勝利。
軽重量級。新出勝治(白・大道塾行徳支部)が本戦旗判定4‐1で戸谷誠(大道塾練馬支部)を下した。
重量級。飯塚進(大道塾岸和田支部)が小外刈り→ニーインベリーからのキメ突きで効果1を奪い横山智樹(大道塾行徳支部)を延長で下す。
超重量級。寺門勝利(大道塾草加支部)が諏訪一郎(青・広島中央支部)を本戦旗判定5‐0で下す。