ウラジオストク遠征記
飯村健一
世界大会の前哨戦とも言える日露武道交流イベント「 Kudo Asia Cup Open」にコーチとして同行しました。 三泊四日というタイトなスケジュールでクルージングや飲み会(連日)もありましたがここでは省いて大会中心に書きます。
参加国は日本、ロシア、モンゴル、韓国、 カザフスタン、 アゼルバイジャン、アルメニアの7ヵ国。 日本選手は-230クラスが谷井、-240クラスが内田と俊輔、-260クラスが加藤、女子、吉倉さんの5名。 日本以外の参加国はフィジカル面で日本を圧倒しているので秋の世界大会に向けて日本勢がどのように対応するのか課題を持って臨んだ大会です。
大会はプロ興行を彷彿させる派手な演出で予選を勝ち抜いた各階級8名が決定してからテレビ生中継。と言っても日本勢で予選を戦ったのは-240の内田だけで残りの日本選手は準々決勝からのスタート。
-230の谷井は初戦の相手が長身のロシア人、フィジカル面での差がなく技術で優る谷井が判定勝ち。
続く-240の内田と俊輔はパワーはあってもレベルの低い相手に危なげなく判定勝ち。
-260の加藤はワールドカップ-260チャンピオンでMMAでも連勝しUFCと契約しているというアダムと初戦で対戦!
開始直後の後ろ蹴りをもらい尻餅、有効は取られなかったもののペースは乱されたはず。その後、回転系の蹴りを見切りパンチを合わせる場面もあったが組みの展開になるとパワー差もあり投げられ寝技を凌ぐも判定負け。
女子代表の吉倉さんは勝っていたが相手の重いパンチに膝が折れ効果、試合後に『石で殴られたように痛かった』と言ってたので女子と言えどもロシア人のフィジカルは恐ろしいと感じました。
準決勝に進んだのは谷井、内田、俊輔の3人だが3人とも敗退。
谷井は戦略ミスもあったと思うが寝技に嵌まりギロチンチョークで一本負け、内田はスピード、パワーに優る相手にパンチ、跳び膝を効かされ敗退、俊輔は効果的な攻撃は凌いだがロシア人が1ラウンドしかない戦い方で前に前に攻めてくるのに対し次のラウンドがあるような戦い方をしていては勝てないのは当たり前。
準々決勝までのロシア圏の選手との戦いでは通用していた技も準決勝レベルのロシア人には暴風雨に捲き込まれたごとく通用しない。
この結果は想定内だが現実を目のあたりにして更に身が引き締まる思いです。
秋の本番までにフィジカル、攻撃力、ディフェンス技術、メンタル等の戦いに必要なものを全て強化しなければ同じ結果が待っているのは確実でしょう。
が、この逆境に燃えているのも事実!
この敗戦を真摯に受け止め今更ながら気合いが入ったウラジオストク遠征でした。
更新日 2014.6.19