空道アジアカップオープン遠征レポート
高橋英明
2014年6月14日にロシアのウラジオストックで開催された空道アジアカップオープンに、役員として行ってきました。試合の様子については、選手/コーチ/審判として参加した皆さんから詳しく報告があると思いますので、私は全般的なことを報告しておきます。
大会会場は、空港から市内に向かう途中にある、昨年に完成したばかりの収容人数5千人の立派な体育館であり、ここで男子6階級、女子1階級で、合計73試合が行われました。
参加国は、ロシアと日本の他、モンゴル6名、韓国3名、カザフスタン3名、アルメニア1名、アゼルバイジャン1名の、合計7ヵ国、総勢66名でした。ロシアは、開催地のウラジオストック支部の選手を中心に、合計16支部からの参加がありました。
73試合の勝敗は、日本は4勝5敗(勝率44%)、ロシアは68勝23敗(勝率75%)、それ以外の国は1勝15敗(勝率6%)と、ロシア勢の強さが目立ちました。特にウラジオストック支部は、決勝7試合に残った選手が9名、優勝者が6名と、圧倒的な強さを見せました。
大きな怪我人はなく、また金的等の反則も極めて少なく、一定の安全性がある洗練された競技として確立されてきていると感じました。準々決勝以降、中継でのテレビ放送の時間が4時間半ほど確保されているということでしたが、テレビ局からは、最後まで放送するので長引いてもかまわないという連絡があったそうです。それだけ、魅力的な内容の大会でした。また会場に訪れた観客もルールをよく理解して観戦しているようでした。
残念ながら、日本は内田選手が-240で3位に入ったにとどまりましたが、実際にロシアの選手とぶつかり合ったことで、11月の世界大会に向けての大きな収穫になったと思います。格闘技なわけですから、まずぶつかり合えるだけの体の力を持っていることが基本として必須であると思います。ロシアの選手は、体の力に加えてスピードもあります。これらには、技術だけでは太刀打ちできないことは明らかです。幸い、世界大会まではあと5ヶ月あります。よい時期に、選手やコーチは、ロシアの力を体感できたと思います。数字的には4勝5敗で優勝者なしということでしたが、収穫は大きかったと思います。
世界大会に向けて、課題と勝つイメージを明確に持って、このあとの5ヶ月間の入念な準備と努力を期待します。
空道は個人競技ですが、世界大会はある意味団体戦です。選手個人の力だけではなく、コーチをはじめとして多くの人たちからの様々なサポートを受けながら、日本からチャンピオンを出すという強い意思を共有して、世界大会に臨んでほしいと思います。心から期待しています。
更新日 2014.6.19