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遠征記

長田賢一

2014 ASIA CUP OPENに審判として参加させて頂きました。
審判としましては、勝負と試合の違いというものを考えるようになってしまい、ルールで勝敗を見極める感覚や判断が鈍っている自分に気がつきました。丸1年以上主審をしていなかった事もありますが、効果をとる基準や連打による効果から有効への移動など、世界選手権ではアジアカップ同様に、判断をする頻度も多くなると思います。勝負というよりはルールに則した的確な判断が出来る感覚を世界大会までは心がけようと思っております。
又、普段全く飲まないのに飲みっぱなしだったということなど影響は無くはないので、世界大会で審判をするのであれば、選手同様の心がけで当日を迎え、飲むのは終わってからにしなければと思いました。

普段、仙台で毎日かなり楽しい日々を送っていますので感じませんでしたが、たまに塾長のお顔を拝見したり、仲間と会うのも良いものだと思いました。
一緒に稽古をしたり大道塾の成長発展の過程を共有してきた仲間達と昔話でなく「今」を語り合えるというのは、なんと貴重なことかと思います。大変大変有難い思いをさせて頂きました。今回は海外の支部長や初めてウラジオやモスクワに行った時の仲間達ともご一緒出来ました。その時その時真摯に稽古や大会に臨んでいる人間は国も人種も宗教も、また、時空も関係なく繋がっているんだなと思います。塾長も大変楽しい方なので、そこにいるみんなも楽しくなります。未来に良いものを繋げられればと思いました。

さて、敢えて惨敗と言わせて頂きますが、世界大会に向けてとても良い経験が出来たと思います。選手もコーチも今大会に向けてベストを尽くしました。
特にコーチ陣の体制は参加国中間違いなく最高の布陣であり、これまでの世界選手権にもなかったものだと思います。是非、頑張って頂きたいと思いますし、心から応援しております。
試合に関して先輩として言わせて頂ければ、ロシアの選手の方がまとまっているという事でした。体も頭も意識もブレがないので、戦い方や戦術に隙やムラがありません。これは想いの差もあるのではないかと感じました。日本の選手はどうしても勝ちのみを意識しすぎる傾向があるのは致し方ないのかもしれませんが、彼らの方が空道好きで、空道が人生そのものだと考えている密度が濃いように思えました。

このことに関しては、様々言いたいことはあるのですが、世界大会が目前にあることは現実です。現実に真摯に向き合い、自分より上手に対して謙虚に尊敬の念を持ちながら学び創意工夫してきたからこそいまの武道があり、それが武道の本質であると思います。たとえ週一回2時間の稽古であってもプロフェッショナルには成り得ますし、今残っている武道はそれをやってきたから生き残っているのだと思います。世界大会が勝敗だけでなく空道全体が進歩発展していく場となるよう武道の本質を示して頂けるような戦い方をお願いしたいと思います。
選手、コーチの皆様宜しくお願い致します。

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更新日 2014.6.27